治療提案をするとき、
「この症状はどれくらいで良くなりますか?」
と聞かれることがあります。
ですが、症状によっては改善の見通しを立てるのが
難しいこともありますよね。
私自身、正直に言えば「わからない」と
感じることもあります。
無理に全体の見通しを伝えなくてもいい
そんなときは、
無理にゴールまでの道筋を
示そうとしなくて大丈夫です。
まずは「最初のステップだけ」伝える。
それだけでも、
患者さんは十分に安心できるものです。
たとえば、
「まずは○回くらいで〇〇の変化が出るかをみていきましょう」
と伝えるだけでも、
“どうなるかわからない不安”は
ぐっと和らぎます。
「見通せない理由」を添えると信頼につながる
もちろん、ゴールまで明確に伝えられるに
越したことはありません。
でも、もし見通しが立てにくい場合は、
そうなっている理由もきちんと伝えましょう。
「まだ疲労が強く、身体の回復力が戻っていないので、
経過を見ながら判断します」
このように丁寧に伝えれば、
患者さんは「ちゃんと考えてくれているんだ」と
信頼を寄せてくれます。
ステップを分けて説明する
たとえば、
不眠が続いて会社に行けなくなっている方の場合。
症状が改善してすぐに復職できるわけではなく、
- エネルギーの回復
- 睡眠の改善
- 日常生活の安定
- そして復職
と、段階を踏んで進む必要があります。
このようなケースでは、
まず「症状の改善」までを
第一ステップとして提案するだけでも、
十分に信頼が得られます。
見通せる範囲で提案すればよい
すべての患者さんが「ゴールの保証」を
求めているわけではありません。
見通せる範囲だけでも、丁寧に説明すれば、
患者さんは納得して前向きに通ってくれます。
見通しが立ちづらいと感じたときは、
無理に未来を約束しようとせず、
今、何を優先しているのか
何を見て今後を判断していくのか
ゴールまでの段階を
一段ずつ伝えること。
それが、結果的にもっとも誠実で
安心感のある提案になりますよ。
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